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あだむという゛ アダムとイヴ
コロンビアで生まれたフェルナンド・ボテロは、南アメリカを代表する作家であるとともに、ニューヨークやヨーロッパ各地で活発な制作活動を続けている。「やせているものを美しいと感じさせることは、西欧的かつ近代的である」とは、あるラテンアメリカ人の言葉だが、ボテロの作品は、その「西欧的」で一般的な美意識に抵抗するかのように、描くものをすべて豊満な姿に変えてしまう。老いも若きも、権力者も庶民も、男も女も、平等にそうなのである。それは、キリスト教の聖母やこの「アダムとイブ」のような宗教的題材であっても例外ではない。彫刻で表現されたこの「アダムとイブ」は、彼の絵画と同じように丸々と太ってユーモラスであり、またどっしりとした安定感を感じさせる。南アメリカの人々の、血色のよい豊満さを美とする土着の美意識で、身近なキリスト教の題材をとらえ直したのが、この「アダムとイブ」と言えるだろう。これはその一方のアダムを表わしている。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1988年06月28日掲載)
カテゴリー:作品
ロマン主義とは?【 美術用語 】 19世紀前半のヨーロッパの美術潮流。ロマンという語は、俗語で書かれた文学を意味した中世フランス語に由来し、そこから非現実的要素だけが取り出されて伝奇的・空想的意味に用いられ、18世紀には悲愴的美、崇高美と結びついた新しい美的感覚をあらわす基本的な概念となったものである。ドイツでは18世紀末から〃イエナ・ロマン派〃によって生活態度における最高概念まで高められた。ここでは、ロマン的現代とは有限と無限、自然と精神の分裂の時代であり、その中で有限なものの中で心情を無限なものと一体化させることは美的態度によってのみ可能であると考えられた。このようにロマン主義とはいわゆる造形活動上の様式概念ではなく、作家の制作態度にかかわるものであるので、特定の形式や統一的様式はもたず、またロマン主義に含まれる作家に様式上の共通点は見られない。代表的作家は、ドイツでは絵画のフリードリヒ、ルンゲ、建築のシンケル、フランスでは絵画のドラクロワやジェリコーらがいる。 |
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