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かたうでをあげてすわるおんな 片腕をあげて座る女
装飾的な彫刻をつくって生計をたてていたローランスが、ロダンからの影響を抜け出し、当時の最先端だったキュビスム運動に参加したのは1911年である。ブラックやピカソらと親交を持ちながら、キュビスムを彫刻へと適用していった。具象的な形を分解して得られる線や面によって構成された作品や、コラージュの立体化を試み、彩色彫刻にも独創性を見せている。しかし1920年代の後半から、彼は人間の自然で有機的な姿を追求し始めた。この作品は、その初期のものである。直線を基調にし、面によるキュビスム的な構成のなごりをとどめている。やや堅さは残るものの、腰をのばし、彼方を眺めやるようなそのポーズは、のっぺらぼうに近いその顔に、やさしい女性の表情をよびおこしている。土を焼いたテラコッタの暖かい肌合いと、しっかりしたヴォリュームは、装飾性をつきぬけて、神聖な象徴へと昇華するかのようである。(友井伸一「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年02月21日掲載)
カテゴリー:作品
エッチングとは?【 美術用語 】 版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは後者の内で最も代表的なものである。エッチングの語源は「腐蝕」。まず銅板にグラウンド(防触剤)を均一にひき、ニードル等の鉄筆状のもので描画すると、描いた線の部分のみ銅板が露出される。これを酸にひたし、腐蝕時間によって線の深浅(太細)を調整する。そしてグラウンドを除去し、凹部にインキをつめ、プレス機で紙に刷り上げる。エッチングの特徴は、直刻法に比べて描画が容易であり、線の表情も腐蝕の深さによって自由に加減できることである。欧州では13世紀頃から金属細工師が腐蝕を用いて図案の線刻を行なっている。それを応用したエッチング版画の登場は16世紀初頭と考えられており、17世紀にはレンブラントを頂点として数多く制作された。日本では1931年、西田武雄によって専門誌『エッチング』が創刊され、日本の現代銅版画の創成期における、エッチングの研究・普及に大きな役割を果たした。 |
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