![]() |
|||
| データベースを使った楽しいサービスです。文中のキーワードをクリックすると、解説文があらわれ、同時に検索結果が表示されます。ぐるぐるキーワードをたどって遊んでみてください。 | |||
|
おいでぃぷすとすふぃんくす(あんぐるによる) オイディプスとスフィンクス(アングルによる)
画面左手に描かれた半人半獣の生き物は、通りかかる旅人に謎をかけ、解けなければ殺してしまうスフィンクスである。傷ついた片足を台にのせているのは、今まさに問いに答えようとしているオイディプス。「朝は四本足、昼は二本足、夕べは三本足のものは何か。」「それは人間である。」スフィンクスもオイディプスも表情は崩れ、のっぺらぼうに近い。力の入ったオイディプスの姿にも、どこか安定を欠いた不気味さが漂っている。画面上部で矢印によって指示される血まみれの物体は、二人の問答から立ち去りがたいかのように浮かんでいる。イギリス生まれのベーコンは、神秘的で象徴的な作風で具象絵画に新しい広がりを与えた。題名によれば、この作品は新古典主義の巨匠アングル(1780−1867)の作品に基づいている。しかし、オイディプスにまつわる父親殺しや近親相姦、盲目といった観念にとりつかれた作家の姿を暗示してもいる。(友井伸一「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1990年08月08日掲載)
カテゴリー:作品
マニエリスムとは?【 美術用語 】 盛期ルネサンスに完成された古典主義芸術のあとを受けて、ほぼ1520年頃から17世紀初頭にかけて、主として絵画を中心に、ヨーロッパ全体を風靡した芸術様式。20世紀初頭になってから独立した様式として認められ、16世紀中葉から後半を支配した芸術様式として重要視されている。その表現は、極度に洗練された技巧、曲線を多用した複雑な構成、歪んだ遠近法を用いた構図、明暗のコントラストや入り組んだ奥行表現による効果、異常なプロポーションや色づかいなどを特色としている。これらは、ラファエロやミケランジェロの完成された力強い表現に対する傾倒、デューラーなどによる北方ゴシックの影響、混乱時代の社会不安、芸術愛好家君主の積極的な保護などを背景として生まれたといえる。その本質については、ルネサンスからバロックへの過渡期の様式、反古典主義様式、16世紀のヨーロッパ全体の精神的危機を反映した様式、ルネサンス文化の継続的発展、人間の持つ非合理なものへの衝動など様々な見方がある。 |
||