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ぴかびあ1( かっさい) ピカビア I(喝采)
犬の頭や人間の顔、手足、アルファベット文字や、トンカチ、ハサミ、ドライバーなどの道具類、それらが落書きのように散りばめられている。その中央には、まだらに赤く彩られたハート形がコラージュによって貼り付けられている。ジム・ダインは1950年代の末以来、アメリカ現代美術の流れの中で遍歴してきた。様々な影響を受けながら彼が獲得した主題、ガウンや道具類、そしてハートは、個性的表現をしりぞけるありふれたものである。しかしこれらの主題は単なる反自己表現のためにのみ棒げられているのだろうか。画面中央にぶら下げられた、いままさにえぐり取られたばかりのようにしずくをしたたらせる赤いハートは彼の自己追求のしるしではないだろうか。日常的で没個性的な主題を用いて、なお自己を表現するというジレンマが彼を神経質にさせ、不安にさせ、妙に沈んだ世界を暗示するのである。(友井伸一「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年09月20日掲載)
カテゴリー:作品
アペルとは?【 作家名 】 1921年オランダに生まれる。2006年没する。1940年から43年にかけて、国立美術アカデミーで学ぶ。1946年にはオランダで初個展を開き、パリのサロン・ド・メにも出品。1948年にはアレシンスキー、コルネイユらと共に、コブラ(参加した画家達の出身地コペンハーゲン、ブリュッセル、アムステルダムの頭文字をつなげたもの)を結成する。戦後の抽象における表現主義的傾向を代表するこのグループは、個人的幻想を直接に表現しようとした。アペルは、ナイフで絵具をキャンバスに叩きつけたり、ひきずったりして描いた。民族芸術や子供の絵にも興味を示し、色や線というよりは創造行為の熱っぽさを反映した荒々しいイメージを重視した。アンフォルメルや、日本の具体グループ、またアメリカの抽象表現主義との関わりもよく指摘されるところである。1954年にはベネチア・ビエンナーレで奨励賞を受賞、58年にはパリ、ユネスコ本部の壁画も手がける。また世界各地で個展が開かれている。(「なぜか気になる人間像 徳島県立近代美術館所蔵名品展」図録(埼玉県立近代美術館)1992年) |
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