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はんがしゅう<だふにすとくろえ>11まひる,なつ 版画集〈ダフニスとクロエ〉11.真昼,夏
シャガールの描くモチーフには、農場、牝(めす)牛や鳥などの動物、恋人たちの姿が繰り返して現れる。これらの題材は、パリを中心に活躍し、巨匠とうたわれた彼の故郷の村に対する郷愁、追憶を表したものであり、また彼の芸術の本質を示したものと言える。彼の作品は、これらの人物や動物が空を飛び、恋人たちが、地上の重力の法則を越えて永遠の愛を語り合うかのように描かれ、幻想的でさえある。その魅力は、油彩画だけでなく、このような版画作品でも変わることはない。これは古代ギリシャの物語「ダフロスとクロエ」を42点の作品でつづった中の一点である。物語は別々の羊飼いに育てられた二人の捨て子が、成長したのち愛し合い、波乱万丈のあと結ばれるという愛のストーリーが色彩豊かに展開する。この作品は夢を見るクロエが、色とりどりの果実を実らせた木々や鳥、笛の音に囲まれて眠る姿を描いたもので、赤い色彩のハーモニーが美しい。(森芳功「文化の森から・収蔵品紹介」讀賣新聞1989年04月05日掲載)
カテゴリー:作品
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