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はんがしゅう<りゅうさ>03 かがみのまえのふたりのおんな

版画集〈流砂〉III 鏡の前の二人の女

作家名:パブロ・ピカソ
制作年:1964年
技 法:アクアチント エッチング ドライポイント スクレーパー 紙
ピエール・ルヴェルディ著。一九六〇年に没したシュルレアリスムの詩人、ピエール・ルヴェルディの最後の詩にピカソが挿絵を寄せたもの。ピカソは一九五三年頃から、アトリエでの画家とモデルが繰り広げる様々な情景を、日記のように日付を記入しながら大量に制作する。〈流砂〉には、この「画家とモデル」をテーマとする作品のうち、一九六四年から六五年に制作された版画十点が収められた。全てのものがいつかは死に絶えるように、詩人にも必ず死は迫ってくる、こんな当たり前のことが、死に直面した詩人の胸をよぎった。空虚さを埋めようとして、ほとんど狂気ともいえるほど情熱的に生きてきたのは、なんと危なっかしいことだったのだろうか。私は港を出る/細長い航路をたどって/そして死に際して私は立ち戻るのだ、全てをはぎ取られた自分に/時に、ピカソは八十三歳から八十四歳。一つ一つ日付を書き入れ、性的な欲望よりもむしろ、禁欲的な緊張感さえ感じさせる画面に、生きてきた証をなおも刻みつけたいという、偉大なる老画家の孤独な意志が伺える。(「本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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ウィリとは?【 作家名 】

1930年、ブリュッッセル生まれ。パリのアトリエ17でS.W.ヘイターと働く。1965年ブリュッセル、ギャラリー・サン・ローランで個展。1970年クラコヴィー、第6回グラフィックビエンナーレに出品。1975年ローマ、ギャラリー・ピッコロで個展。アムステルダム国立美術館「ファンダメンタル絵画」に出品。1977年カッセル・ドクメンタ6に出品。1980年ブリュッセル、パレ・デ・ボザール「ベルギーとオランダ1945年以降の芸術の類似と相違」展に出品。1982年ベネチア・ビエンナーレ、パンチュール・ヴェニス82で個展。1984年モントリオール現代美術館で個展。1985年バーデンバーデン、第4回ヨーロッパ版画ビエンナーレに出品、同年第18回サンパウロ・ビエンナーレに参加。1986年ブエノスアイレス美術館「ベルギー現代絵画」展出品。1987年ブリュッセル近代美術館で個展。1990年パリ市立近代美術館「ベルギーの美術、20世紀フランドルとワロンある視点から」展に出品する。1993年「1980年以降のベルギー美術」展に出品。(「ベルギー現代美術展」図録 1994年)

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