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はんがしゅう<じゃず>02さーかす 版画集〈ジャズ〉2.サーカス
テリアードから色刷り版画による挿絵本の依頼があったのは一九四三年。既に絵筆を持つのが困難になっていたマティスは、筆をはさみに持ち替えて切り紙の要領で形を作り、それをステンシルで版画にした。文章もマティス自身のものであり、手書きの文字をそのまま印刷している。サーカスや民話、旅行に基づいた図柄と、神、愛、自由などに関するマティスの断想がつづられた文章のあいだには、説明的な関連はない。色紙を切り抜くことは、形のない色というものを、手応えのある物質としてつかみ取ることだったのかも知れない。そんな実体として捉えられた色が織りなす図版と、文章が喚起するイメージ、そして手書き文字の視覚的効果が共鳴し、一冊の書物に結実したマティス晩年の代表作である。(「本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで」図録 2002年)
カテゴリー:作品
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ステンシルとは?【 美術用語 】 広く捉えれば、孔版と同じ意味で使われる。孔版は、他の版形式(凸版、凹版、平板)が全て版材に盛ったインキを紙に転写するのに対して、孔版は版膜にあけられた孔をインキが通過することで印刷される。従って原画は左右逆にならず、またインキの盛り上げも自在である。またステンシルという用語は、限定して、型染の技法あるいは型紙を使った版画技法に対して用いる。防水性の原紙やスチロールの薄板などの型紙に文字や模様を切り抜き、それを紙や布の上におき、その切り抜かれた孔の部分から絵具、インキ、染料をすり込む技法である。日本でも古くから、薄い美濃紙を渋で貼り重ねた防水性の渋紙に型を切り抜いて版をつくる合羽版(かっぱばん)が行われている。タイプ孔版の原紙や、シルクスクリーン印刷の型紙(原版)のこともステンシルと呼ぶ。 画面右にこのキーワードの再検索結果が表示されています。そちらもご覧ください。 |
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