シャルル・ボードレール著。ボードレールの詩に版画を添えた本の出版は、画商ヴォラールの企画。一九一七年、ヴォラールと専属契約を結んだ
ルオーは、一九二六年から二七年にかけて十四点の
銅版画を制作する。版画は各五百部刷られたが、結局出版されなかった。日の目を見たのは
ルオーの死後、一九六六年のことである。
ルオーは詩の内容を忠実に再現するのではなく、詩から受けるインスピレーションと、内面から沸き上がるイメージとの交感を重視した。(「本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで」図録 2002年)