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影シリーズ 海辺の黄色の花と影



影シリーズ 海辺の葉と影



影シリーズ ススキと影



影シリーズ 砂と影



影シリーズ 菜の花と影I



影シリーズ 都わすれと影



影シリーズ れんげと影



影シリーズ れんげと影



影シリーズ 石と影



影シリーズ 右近の葉と影



影シリーズ 海辺の黄色の花と影



影シリーズ ススキと影



影シリーズ 砂と影



影シリーズ 菜の花と影I



影シリーズ 浜辺の葉と影



影シリーズ 都わすれと影



影の自画像



過去も未来もない中心 I



過去も未来もない中心 II



かご


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 作家(1701)

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あけぼのむらものがたり

あけぼの村物語

作家名:山下菊二
制作年:1953年
技 法:油彩 キャンバス
文学の世界にルポルタージュ文学というジャンルがあります。それと同じように、一時期の山下の作品を「ルポルタージュ絵画」と呼ぶことがあります。実際に現場に足を運び、そこで取材したことを作品を通じて社会に訴えようとしたのです。「あけぼの村物語」もそのひとつです。1953年に山梨県曙村(現在の中富町)で起こった地主と村人との騒動に取材しています。山下は村人の立場に立って、この事件を広く社会に訴えようとしました。 この村の地主は、戦前から村人を人とも思わない扱いを繰り返し、借金のかたに病人の布団を引きはがしたり、子供をだまして土地の権利書を取り上げたりしていたということです。戦後、村人は結束して立ち上がりましたが、抗議行動り先頭に立っていた若者が、ある日河原で怪死体となって発見されました。画面に描かれた血の海に倒れる人物がその若者です。画面右の首をくくる老婆は地主が経営にかかわっていた銀行の偽装倒産で預金を失った老婆を表し、中央に首をうなだれる農民が手にする青麦は、地主が強引に計画を変更して村道を自分の持ち山に通したため、収穫前に抜き取られた村人の麦を示しているということです。美術を言葉どおり美しいものと考える人は、この作品を前にしておそらく当惑されることと思います。また芸術が俗世間を超起した存在だと考える人にとっても、理解を超えた作品でしょう。この作品だけではありません。山下が残した作品郡は、私たちが目をそらしてやり過ごしてきた社会の暗部を執拗(しつよう)に訴え続けています。山下にとって絵を描くという行為は、社会とかけ離れた行為ではなく、積極的に社会とかかわっていくための手段だったといえるでしょう。


カテゴリー:作品
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川端玉章とは?【 作家名 】

京都に蒔絵師の子として生まれる。幼名龍之助。晩年は璋翁と号した。はじめ、父から蒔絵の手ほどきを受けるが、中島来章に師事し円山派を学んだ。慶応2年(1866)江戸に出て、覗眼鏡の興行などを経た後、高橋由一五姓田義松とともにワーグマンから洋画を学ぶ。そして、油絵具で屏風を描いたこともあったという。明治10年(1877)第一回内国勧業博覧会以降、受賞を重ね、第一回、第二回内国絵画共進会では、受賞作がフェノロサから評価を受ける。明治21年(1888)から、円山派を代表する画家として、東京美術学校で後進の指導にあたった。シカゴ万国博覧会に出品。日本青年絵画協会の結成に尽力した他、川端画学校校長、帝室技芸員、文展での審査員などを歴任した。(「近代日本画への道程 「日本画」の19世紀」図録 1997年)

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