作家名:
靉光
制作年:1929年
技 法:油彩 キャンバス
妹立川コサミを描いた作品。コサミによると、
靉光が実家に帰省した時、
靉光のためにこの絵のポーズをとったことがあったという。作品の裏には、結婚する妹の幸せを祈り、母親を懐かしむ言葉が書き込まれている。「屋根の見える風景」とほぼ同時期の制作だが、ここでは
ゴッホ風を離れ、骨太な輪郭線で暗い背景から浮かび上がる少女の姿を描き、深い叙情を生み出している。
里見勝蔵によると、この作品が制作された戦後、国内では数回にわたって
ルオーの作品が公開されている。この表現は
ルオーへの関心も背景にあったのではないだろうか。(「
靉光 揺れ動く時代の痕跡」図録 1994年)