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せきちゅうとうろうさるず 雪中灯籠猿図
狙仙の描く猿の特徴は、ある形式から入った表現ではなく、猿の姿や生態を観察することで得られるリアリティーにあると考えられる。狙仙自身の起居や飲食のさまが猿のようだといわれたエピソードも、このリアリティーと関わっていよう。本図には、灯篭のなかで雪をさけている猿たちの姿が、個々の表情や動作まで含めてユーモラスに描かれている。ここで写実とは、遠近表現の理論や技法の外部からの移入ではなく、画家の視覚と感性をとおした観察による表現といえるだろう。本図には、祖仙の落款がある。狙仙と改号したのは、文化4年(1807)、還暦を過ぎた頃と推定されているので、それ以前の作と考えられる。(「近代日本画への道程 「日本画」の19世紀」図録 1997年)
カテゴリー:作品
ポップ・アートとは?【 美術用語 】 ポピュラー・アート(大衆芸術)に由来する言葉で、1950年代後半以降、とくに1960年代にイギリス、アメリカで盛んになった現代芸術の最も特徴的な動向のひとつ。イギリスでは、1952〜55年にロンドンのICA(現代芸術研究所)に集まったインディペンデント・グループの中で理論化され、メンバーの批評家ローレンス・アロウェイがポップという言葉を用い始めた。マスメディアや広告に関心を示し、アメリカの大衆文化の影響を受け、伝統や既成の権威への反発、ハイ・カルチャーとサブ・カルチャーの区別を取り払ったことなどが特徴としてあげられ、リチャード・ハミルトンやキタイ、ホックニーなどの作家がいる。アメリカでは、抽象表現主義に反発する風潮の中で現れ、ジャスパー・ジョーンズとロバート・ラウシェンバーグが先駆者としてあげられる。ありふれたイメージやキッチュを用い、また、ダダに根ざしていたため、しばしばネオ・ダダとも呼ばれる。大衆社会のマス・メディアや大量生産消費社会に関心を持ち、ここからアセンブリッジ芸術やハプニングが派生している。 |
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