作家名:
田能村直入
制作年:1869年
技 法:絹本着色
日本の南画のなかで、様式的に正統な南宗画を目指したのは、師の竹田であったといえるが、竹田を敬慕し続けた直入の目指すところでもあった。それは、中国絵画の臨模への情熱や、後半生の、南画家教育や南画家のための展覧会をつくろうと尽力したこととも結びついている。しかし、この明治に入ってからの作品<百花図>では、気負うことなく身近にある花々を描いている。画面には、植物を漢名で記した款記がある。(「近代日本画への道程 「日本画」の19世紀」図録 1997年)