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ときわごぜんせっこう 常盤御前雪行
文麟は、雨にけむり夕暮れにかすむ風景、暮靄山水を得意とした。京都で身近に見る光景を描いたものといえるが、その霞や雲の表現には上空から見下ろしたようなところもあり、現実の風景とは異なる装飾性を持っている。明治に入り、晩年期に入った文麟の表現は、西洋画法を取り入れた実景描写を行う一方で装飾性を増していく。四条派の持つ写生と叙情性の間で揺れたというべきであろう。文麟はまた、風景だけでなく花鳥や人物など幅の広い題材をこなしたが、常盤御前を描いた本図にも、同様の振幅を読みとることができるだろう。(「近代日本画への道程 「日本画」の19世紀」図録 1997年)
カテゴリー:作品
タペストリーとは?【 美術用語 】 フランス語でタピスリー、英語でタペストリーと読む綴織壁掛(つづれおりかべかけ)のこと。製織方式は平織(ひらおり)の文様織。ふつう竪機(たてばた、経糸を垂直に張って織る機)を用い、経糸(たていと)に麻糸、緯糸(よこいと)に太い毛の染め糸(また絹や金銀糸なども)を用いる。緯糸を適当な長さに通して絵柄を織り出し、自由に絵画的主題を表現する。すでに古代エジプト時代から知られ、古代ローマやコプト、ペルシアなど東方諸国で制作された。西欧では、13〜14世紀にモニュメンタルな建築装飾として登場し、聖堂や城館の壁面や柱間を飾った。制作地は、フランドルから北フランスにかけてで、アラス、パリ、ブリュッセル、トゥルネ、ヴァランシエンヌ、ドゥエー、リールなどが名高い。代表作には、ニコラ・バターユ作「アンジェの黙示録」や「一角獣をともなった貴婦人」(パリ、クリュニー美術館)などがある。14〜15世紀が全盛時代で、16世紀からは次第に絵画化する。17〜18世紀には、フランス王立ゴブラン製作所が中心となって多くの作品が作られた。 |
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