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ろうかくさんすいのず 樓閣山水之図
立嶽は、狩野派の伝統的な表現を受け継ぎながら、中国絵画の研究を深めていく。たとえば、<楼閣山水図之図>などに見られる、中国の界画(定規を使った正確な描写で宮殿を描く細密画のような作品)を意識した題材と表現の作品がある。すでに狩野派の伝統に吸収されていた要素だが、新しく組み替えているように思われる。界画の楼閣描写には、近代の遠近表現とは異なるものの、写実的な意識があり、中国の題材でありながら近代の写実表現と接点を持っている。表現が精緻なものとなつたのは、一族に大工がいたことも関わっていようが、立嶽は、この作品のなかで写実化を進め、日本化した山水表現と融合させながら描いている。(「近代日本画への道程 「日本画」の19世紀」図録 1997年)
カテゴリー:作品
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