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ひせん 飛泉
<飛泉>には、滝の水しぶきによって、霧のかかったような空気が、滝壺をはさんだ手前から滝までの距離感のなかに描かれている。橋本雅邦ら前の世代の画家も、狩野派、室町水墨画の表現を生かしながら、空気の奥行きがある空間をつくりだそうとした。部分的だが、線を用いることなく、霧のある風景も表している(No.45)。大観、春草らの無線描法は、それをさらに展開したものといっていいだろう。狩野派などの修行を経た世代が、線の表現、皴法などを流派の様式や価値の背景から切り離して用いることができなかったのに対して、大観らの姿勢は、きわめて大胆であった。「朦朧体」は、線を使わず描いただけでなく、流派と表現の関係を分離して、一つひとつの手法を作家の表現のなかで組み替える前提を用意したといえる。批判を浴びたが、一度は通らなければならない近代への入口であった。(「近代日本画への道程 「日本画」の19世紀」図録 1997年)
カテゴリー:作品
エッチングとは?【 美術用語 】 版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは後者の内で最も代表的なものである。エッチングの語源は「腐蝕」。まず銅板にグラウンド(防触剤)を均一にひき、ニードル等の鉄筆状のもので描画すると、描いた線の部分のみ銅板が露出される。これを酸にひたし、腐蝕時間によって線の深浅(太細)を調整する。そしてグラウンドを除去し、凹部にインキをつめ、プレス機で紙に刷り上げる。エッチングの特徴は、直刻法に比べて描画が容易であり、線の表情も腐蝕の深さによって自由に加減できることである。欧州では13世紀頃から金属細工師が腐蝕を用いて図案の線刻を行なっている。それを応用したエッチング版画の登場は16世紀初頭と考えられており、17世紀にはレンブラントを頂点として数多く制作された。日本では1931年、西田武雄によって専門誌『エッチング』が創刊され、日本の現代銅版画の創成期における、エッチングの研究・普及に大きな役割を果たした。 |
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