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たそがれ 黄昏
この作品は美工の卒業作品で、黄昏時の子守りの姿という、何気ない市井の風俗を描いており、歴史風俗を描くことの多かった泰山の出発点にこうした日常的な世界へのやさしい目があることを理解させてくれる。しかし、その背景に描かれる草なす崩れた土壁に、古いものを慈しむような感覚をすでに感じさせるところに、作者が持つ資質を垣間見ることができる。(「京都の日本画−京都画壇の俊英達−」図録 2001年)
カテゴリー:作品
小川芋銭とは?【 作家名 】 1868年江戸赤坂溜池の牛久藩邸に、留守居役小川伝右衛門の長男として生まれる。幼名不動太郎、のち茂吉と改める。はじめ油彩画を本多錦吉郎に学ぶ。1888年(明治21)「朝野新聞」の客員となり、同紙に帝国議会開設のスケッチや漫画を発表した。この時から芋銭の号を用いはじめる。1893年廃藩置県で牛久に帰農していた一家のもとに帰り、農業に従事しながら制作を行った。「茨城日報」「いはらき新聞」に投稿、1911年小杉未醒と漫画展を開催した。1915年(大正4)平福百穂、川端龍子、森田恒友らと日本画研究団体、珊湖会を結成、1917年には日本美術院の同人となる。以後院展を中心に、沼畔や田園に題材を取った作品を発表した。明治後期に幸徳秋水などと交流し、平民主義の影響を受ける一方、老荘の思想に通じ、書や俳諧もよくした。(「大正の新しき波 日本画1910−20年代」図録 1991年) |
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