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にがつのころ 二月の頃
華岳は大阪のひと。はじめ武田震一といったが、神戸の村上家の養子となった。美工を経て明治44年絵専を卒業し、研究科に進むと同時に竹内栖鳳に師事。早くから歌舞伎や文楽、浮世絵などに興味を示し、仏教美術にも深く傾倒した。在学中明治41年第2回文展に「驢馬に夏草」を出品するが、同展への不満から土田麦僊、榊原紫峰らとともに大正7年国画創作協会を結成、活発に活動を展開した。昭和3年の同会解散後は画壇を離れ、神戸に隠棲して山水画・仏画に孤高の制作を続けた。この作品は当初「早春」と名付けられており、第16回新古美術品展で3等賞を受賞、第5回文展出品時に現在の名称に改められたものである。京都吉田山から銀閣寺方面の眺望を描いた、冷気の漂う田園風景である。2学年下の小林和作の伝えるところでは遠景の山の表現にとりわけ苦心したという。(「京都の日本画−京都画壇の俊英達−」図録 2001年)
カテゴリー:作品
銅版画とは?【 美術用語 】 版画技法。版材に銅板を用いる版画の総称。基本的に凹版画であり、彫られた凹部にインキをつめ、プレス機で紙に刷り上げる。製版の方法によって、直刻法(直接法)と酸腐蝕法(間接法)に大別できる。直刻法は、彫刻刀などによって銅版に刻画し凹部をつくるもので、用いる彫刻刀の種類と刻画の方法によって、エングレーヴィング,ドライポイント,メゾチントなどの技法に区別できる。一方酸腐蝕法は、防蝕剤によって版面に腐蝕される部分とされない部分を作った上で、酸による腐刻を行い凹部をつくるもので、防蝕剤の使い方の様々で、エッチング,アクアチントなどの技法に区別できる。これら様々な銅版画の技法は、同じ銅板を用いた凹版画でありながらもそれぞれ独特の表現効果をもっている。また同一版の上で複数の技法を併用し、一気に刷り上げることも可能である。 |
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