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たんそんぼあい 蜑邨暮靄
この作品は、第1回帝展審査員の曼舟が、「海−日出後・日没前」と題して出品した海の風景二題の作品のうち「日没前」を改題したものである。日暮れの漁村の入り江、瀬戸内海にあるような風景であるが、明るい余光が画面に感じられるように表現されている。石井柏亭が「日本画でまともに光を取扱うのは随分難しく且つ損かもしれない」とこの作品を評したが、新しい日本画を志す意欲を見ることができよう。(「京都の日本画−京都画壇の俊英達−」図録 2001年)
カテゴリー:作品
木版画とは?【 美術用語 】 木を版材とする版画で、ふつう凸版として利用する。版画としては最も古い歴史を持っており、中国では7世紀、日本では8世紀、また西欧では15世紀初頭まで遡ることができる。縦換きした版木を使う板目木版と、輪切りして得られる木口を使う木口木版がある。板目木版の版材には、桜、桂、朴などの広葉樹種が、堅さも組織も一定しているため適している。木目が平行しているものを柾目、平行していないものを板目というが、ともに板目木版である。彫刻刀を用いて版をつくるが、最近は、電動のこぎりで切断した形象を使ったり、伝統的な凸版技法に凹版技法をとり入れるなど表現の可能性を広げている。木口木版は、黄楊や椿のように年輪のしまった均質な密度を持つ堅い木を版木に使う。回転させながら彫刻ができるクッサン(レザー・パット)の上に版木を置いて、ビュランで彫刻する。印刷は、板目木版より強い圧力を必要とする。 |
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