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にんぎょうつかい 人形つかい
この作品は江戸中期の町娘の親子と家族が人形芝居を楽しんでいる情景を描いた作品で、襖を開けて見ている娘の後ろ姿の美しい風情と縦に細長い空間に巧みにそれぞれのくつろいだ表情を配した右半分だけで画題の情景が表現されている。第15回新古美術品展に出品された同画題の別の双幅の作品では、左半分に、現在のような三人手遣いの人形ではなく、人形の裾から両手を差し込む元禄期頃の一人だけで操る人形遣いと語り手とが描かれている。それは双幅という構成上そうなったものでもあろうが、この作品のように右半分の女性たちの視線の行方に、演じられている人形芝居を暗示した空間だけにした方が、説明的な部分がないので、松園が描こうとした元禄女性のしっとりとした情緒性を一層味わい深く感じることができる。表現としてもより近代的な芸術性を高めている。(「京都の日本画−京都画壇の俊英達−」図録 2001年)
カテゴリー:作品
水彩画とは?【 美術用語 】 広義には、水溶性の展色剤で練った顔料を使って制作された絵画をさす。古代エジプトのパピルス画、東洋画の紙本・絹本の類、中世ヨーロッパの彩色写本の挿絵など古くから世界各地で広く利用されてきた。狭義には顔料とアラビアゴムを練り合わせた絵具(水彩絵具という)で描いたものをいい、より狭義には、水彩絵具を透明水彩絵具と白色顔料を加えた不透明水彩絵具(グワッシュ)に分け、前者のみを指す。透明水彩は特に精選した微粉の顔料を用い粘り気が少なくなるように練ってある。水彩絵具の特性は透明なことで明るい色を表現する場合は、水で薄めるだけで、薄い絵具の層を通して画用紙その他の支持体面から光が多く反射して明るく見える。不透明水彩の場合は白を加える。単色で仕上げる水性絵具としては、茶色のビスタや、いかの墨から作る焦げ茶色のセピアを使ったものがよく知られている。18世紀から19世紀初頭のイギリスで大きな発達をとげ、特にターナーは油絵に劣らない色の明るさと鮮かさを表現する水彩技法を作り上げた。 |
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