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とうしんさんすい 冬真山水
芳崖は、狩野派の伝統のなかで自己の資質を磨き、フェノロサや岡倉天心に伴い、新しい日本画の創造に努めた作家のひとりである。作者は、文久元年に雪舟の「山水長巻」を模写し、以後幕末から維新後にかけて、特に山水画を中心に雪舟の研究に努めている。明治元年、芳崖が40歳の時に描いた本作品は、伝統的な近景、中景、遠景を意識しながら、鋭利な岩山が力強く連続的に形作られた画面構成であり、小品ながら雄大で墨の潤いが美しい作品である。(「日本の美−再発見 富山県水墨美術館収蔵作品集」 2005年)
カテゴリー:作品
パピエ・コレとは?【 美術用語 】 貼り紙のことで、装飾紙の切片を画面に貼付する技法。分析的キュビスムから総合的キュビスムに移行し始めた1911,12年頃、ピカソやブラックが用い始めた。キュビスムが分析的段階に至って抽象的な線の要素に解体した画面に現実感と日常性を回復させるため、新聞紙、切符、模様紙、レッテル、さらに羽毛、砂、針金などを貼りつけ、新しい造形効果と物体感を導入した。20世紀絵画におけるオブジェの意識の形成過程にとって重要な契機をなした技法である。のちにダダやシュルレアリスムのコラージュに発展した。コラージュは、貼りつけることを意味し、マックス・エルンストをはじめとするシュルレアリスムの作家たちが1920年代からよく利用した。本来相応関係のない別々のさまざまな「もの」を、最初の目的とはまったく別のやり方で結びつけ、異様な美やユーモアやロマネスク的な領域を絵画に導入した。現実の多様性を画面にとり込むための有力な手段のひとつである。 |
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