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とうしんさんすい 冬真山水
芳崖は、狩野派の伝統のなかで自己の資質を磨き、フェノロサや岡倉天心に伴い、新しい日本画の創造に努めた作家のひとりである。作者は、文久元年に雪舟の「山水長巻」を模写し、以後幕末から維新後にかけて、特に山水画を中心に雪舟の研究に努めている。明治元年、芳崖が40歳の時に描いた本作品は、伝統的な近景、中景、遠景を意識しながら、鋭利な岩山が力強く連続的に形作られた画面構成であり、小品ながら雄大で墨の潤いが美しい作品である。(「日本の美−再発見 富山県水墨美術館収蔵作品集」 2005年)
カテゴリー:作品
マニエリスムとは?【 美術用語 】 盛期ルネサンスに完成された古典主義芸術のあとを受けて、ほぼ1520年頃から17世紀初頭にかけて、主として絵画を中心に、ヨーロッパ全体を風靡した芸術様式。20世紀初頭になってから独立した様式として認められ、16世紀中葉から後半を支配した芸術様式として重要視されている。その表現は、極度に洗練された技巧、曲線を多用した複雑な構成、歪んだ遠近法を用いた構図、明暗のコントラストや入り組んだ奥行表現による効果、異常なプロポーションや色づかいなどを特色としている。これらは、ラファエロやミケランジェロの完成された力強い表現に対する傾倒、デューラーなどによる北方ゴシックの影響、混乱時代の社会不安、芸術愛好家君主の積極的な保護などを背景として生まれたといえる。その本質については、ルネサンスからバロックへの過渡期の様式、反古典主義様式、16世紀のヨーロッパ全体の精神的危機を反映した様式、ルネサンス文化の継続的発展、人間の持つ非合理なものへの衝動など様々な見方がある。 |
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