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さんりんゆうち 山林幽致
栖鳳は明治33年に渡欧し、ターナーやコローの作品から深い感銘を受け、帰国後は積極的に西洋画法を取り入れた。本作品は、作者が水墨画に好んで描いた茨城県潮来の風景であろうか、黒い墨の階調と白の余白を巧みに用い、卓絶した筆致で幽玄な山林風景の一コマを鮮やかに切り取っている。湿潤な樹木やみずみずしい大気の表現など、画風の特色をよく示した円熟期の作品である。(「日本の美−再発見 富山県水墨美術館収蔵作品集」 2005年)
カテゴリー:作品
ナビ派とは?【 美術用語 】 ポン=タヴェン派の一人ポール・セリュジエが中心となって、ゴーギャンの様式を基礎にパリで結成したグループ。ナビという語はヘブライ語の「預言者」を意味する言葉である。理論的リーダー、モーリス・ドニは、主観的状態と客観的形態の交感、すなわち感情の等価物、一種の心理的事実のあらわれとして芸術作品をとらえている。それに加えて、ナビという語に端的にみられるように、彼らはゴーギャンのやり方を一種の宗教的啓示として受けとめており、彼らの作品はいきおい象徴的な要素を秘めている。上記の2人の他ボナール、ヴュイヤールなどが参加し、トゥールーズ・ロートレックやマイヨールも一時期彼らと関係があった。また作曲家ドビュッシーや小説家プルーストらもかかわりをもっていた。彼らの間には、印象主義への反動や、色彩と歪曲した線の装飾的な使用など、共通点があるものの、強いまとまりはなく、1899年のデュラン・リュエル画廊での展覧会以降は、ばらばらに活動した。 |
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