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ぬま 沼
芋銭の作品に共通して見られる特色は幻想性と土着性とユーモアであるが、本作品にはこれらの特色がよく表現されている。この作品に描かれている沼は芋銭の家の近くの牛久沼であるが、芋銭はこの沼に住む河童や魚を題材として数多くの作品を描いている。芋銭は画家として画壇に登場する前にすでに漫画家として世に知られていたが、通常の画家の持たない才能を横山大観に高く評価されて日本美術院の同人に推挙されている。この作品では牛久沼周辺に住む人々の素朴な生活を描いているが、まるで幻影のように湖面に浮かぶ漁夫の姿や、ねじ曲がった木々などが不思議な幻想と詩情を醸し出している。(「日本の美−再発見 富山県水墨美術館収蔵作品集」 2005年)
カテゴリー:作品
アカデミーとは?【 美術用語 】 芸術家、文筆家、学者などの専門家の組織集団。多くの場合教育的機能をもち、転じて絵画、彫刻などの技法を教える画塾、研究所をも意味する。さらにフランス語では裸体習作、モデルの意味がある。その名は古代ギリシャにおいて、プラトーンがアテーナイの郊外に開いた学園アカデーメイアに由来する。ルネッサンス期に人文主義者や芸術家たちの集りにこの名称が用いられたが、正式な組織としては16世紀になってパッチオ・バンディネルリがローマに設けたアカデーミアが最も古く、次第に従来のギルドに替わる性格を帯び、1563年フィレンツェにヴァザーリにより〈アカデーミア・ディ・ディセーニョ〉が創設され、その後ボローニャ、ローマに多くのアカデミーが設けられた。フランスでは1664年王立絵画彫刻アカデミーが創られ、美術学校と公式の展覧会を支配するようになり、この例にならって各国に18世紀のアカデミーが生まれた。しかし19世紀中葉以降、その伝統を墨守する保守的傾向が「アカデミズム」として否定されるようになり、美術の主要な流れからは遠い存在となっていった。 |
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