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ししず 獅子図
本作品は38歳の時に制作された百穂の代表作品である。この作品を制作した前年、第8回文展に出品した本作品と同様の〈たらし込み〉技法を用いて描かれた「七面鳥」(六曲一双屏風)は、琳派の装飾性とリアリズムとを融合させたものとして激賞され、百穂の名を一挙に高めた。2匹の獅子は描線をほとんど用いない没骨法によって描かれ、百獣の王にふさわしい威厳がよく表現されている。よく見ると〈たらし込み〉は一度ではなく墨の濃度を変化させながら、最初の〈たらし込み〉が乾かないうちにその上に再度の〈たらし込み〉がおこなわれていることがわかる。(「日本の美−再発見 富山県水墨美術館収蔵作品集」 2005年)
カテゴリー:作品
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ビュランとは?【 美術用語 】 銅版や木口木版を彫るために用いる彫刻刀。全長約12cmの鋼鉄製の棒で、刃先は斜め45度に切断され、菱形か正方形の断面を持っている。他端から全長の3分の1の部分で折れ曲がっており、その先に木製の握りがついている。使用法は、指で先端の方向を定めながら、握りを手のひらで押し、版面に水平に近く彫り進める。刃先はV字型に版面に食い込み、明快で硬質な線が刻まれる。抵抗の大きいビュランを自在に操り、髪の毛の数分の1の線からあらゆる太さの線までを彫刻するには相当の熟練を必要とする。ビュランは、銅版画の中でも直刻法によるエングレーヴィング版画、そして木口木版画の中心工具であって、鋭い刻線によって繊細で精密な表現を可能にする。ところで、木口木版画も含めて線刻彫版画をエングレーヴィングと総称するが、またこの彫刻刀の名をとってビュランと呼ぶこともある。 画面右にこのキーワードの再検索結果が表示されています。そちらもご覧ください。 |
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