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ばんざんざんしょう 晩山残照
幼少の頃から画家であった父・平福穂庵から絵のてほどきを受けるが、穂庵の没後、鈴木百年に天与の画才を認められる。本作品は死の5年前、百穂が51歳の最も充実した時期の作品であり、歌人らしい研ぎ澄まされた感性がよく反映されている。残照に赤く染まった晩秋の高原の風景を近代的なシャープな墨線で表現しながら、しみじみとした東洋的な諦観を漂わせている。薪を背負って冬近い山道を下っていく2人の後ろ姿が寂蓼感をいっそう深めている。晩年の百穂は写生と南画的手法を融和させた独自の透明感のある画境に到達する。(「日本の美−再発見 富山県水墨美術館収蔵作品集」 2005年)
カテゴリー:作品
タブローとは?【 美術用語 】 ラテン語で板を意味するタブラ(tabula)に由来する。元来は、西欧美術の板絵のことで、テンペラあるいは油絵具を用いて樫、ぶな、ポプラ、マホガニーなどの木材に描いた作品を示す。14世紀後半から、画枠に張ったキャンバスに描いた作品も含む持ち運びが可能な絵画を指すようになり、建築物に描かれた壁画や天井画と対置して用いられた。額絵(額画)とも訳されるが、紙や地塗塗料が施していない布地に直接描かれた作品は含まない。今日タブローと言うと、出来上った絵画の意味で、作者の思想や構想が画面に組み立てられ完全化されたものを指すことが多い。エチュードなどは含まず、完全に仕上げられた独立した作品を意味する。ただし近代以降、作品の「完成」の概念があいまいとなっており、現代美術に当てはめるには適切でない状況も生まれている。 |
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