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せみまる 蝉丸
大戦前から大戦後にかけて、放庵はしばしば富山県の八尾町や滑川市を訪れている。八尾では〈おわら〉を作詞し、滑川では地元の俳人たちと親しく交わるなど富山県とも関わりが深い。初期には未醒の号で洋画を描いていたが、大正10年頃から中国の故事や逸話を題材として水墨による洒脱な人物画を描きはじめる。本作品の題材は、平安時代の盲目の歌人で琴の名手であった蝉丸の隠遁生活を描いたものであるが、晩年、世俗を離れて新潟県の赤倉に住み、死ぬのを待たれるのは嫌だと芸術院会員を辞退して、気ままに絵を描き歌をよんで生涯を終えた放庵自身の姿を彷彿とさせる。(「日本の美−再発見 富山県水墨美術館収蔵作品集」 2005年、加筆有)
カテゴリー:作品
ルフとは?【 作家名 】 1958年ドイツに生まれる(ハーメルスバッハ)。1981年までデュッセルドルフ美術大学のベッヒャーの下で学ぶ。1981年のガレリー・リュディガー・ショトレ(ミュンヘン)での個展を皮切りに、数多くの個展、グループ展に出品する。1991年にはベルリンのマルティン・グロピウス・バウにおける「メトロポリス」展に出品、翌92年にはカッセル(ドイツ)の「ドクメンタ9」に出品する。美術大学在学中から、ルフは一貫して写真というメディアを通して表現に取り組んできた。その中でもとりわけ、ルフの名を高めたのは巨大な肖像のシリーズであろう。身近な知人、友人、後輩たちをモデルに、個人の人柄や個性を表現しようとするでもなく、カメラの目を通して実に淡々とあるがままの人を画面にとらえ、私たちが通常、想像する以上にそれらを拡大する。そこに生まれる作品としての新たな意味を付加しつつ、観る者に提示するのである。現在、デュッセルドルフ(ドイツ)在住。 |
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