作家名:
前田青邨
制作年:1940-50年代
技 法:紙本墨画淡彩 軸装
青邨作品の特色は、大和絵にみられる簡潔さと、琳派に代表される豪華さを見事に融合させたところにあるといえよう。味わい深い彩調や作域の広さ、題材の豊富さも魅力である。「風神雷神」は古くからよく描かれた題材であるが、この作品は趣を変えて青邨が得意とする淡墨の白描で描かれている。たらし込みによる墨の滲みで雲を表し、風神雷神の一瞬の動きを簡潔な線で軽妙かつ的確に表現している。(「日本の美−再発見 富山県水墨美術館収蔵作品集」 2005年)