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におぬま 鳰沼
本作品は、再興第16回日本美術院展に出品された「鎖夏帖」と題する5連作のうちの1点であった。「鎖夏帖」は夏を題材とした〈朝顔〉〈巣籠〉〈月明〉〈細雨〉〈立秋〉の5点からなり、いずれも四尺幅の大幅。本作品はこのうちの〈細雨〉で、もともと団扇形であったが、のちに丸窓の形に表装し直し、南風自身により改めて〈鳰沼〉と題された。墨を基調として、湖面に遊ぶ2羽の鳰(水鳥の一種)と藻の浮草を描いた作品には、落ち着いた花鳥描写の中に快い清涼感が漂っている。また本作品は、翌年ローマで開催された「羅馬開催日本美術展覧会」にも出品された。(「日本の美−再発見 富山県水墨美術館収蔵作品集」 2005年、加筆有)
カテゴリー:作品
シスレーとは?【 作家名 】 1839年フランスに生まれる。1899年没する。イギリス商人の子としてパリに生まれる。美術教師シャルル・グレーズのアトリエで絵を学ぶ。同じアトリエに学んでいたルノワール、モネらと知り合う。バルビゾン周辺やセーヌ川などで制作し、また、後に印象主義をになう画家たちの集まったカフェ・ゲルボアに出入りする。1874年第一回印象派展に出品し、以後も風景を得意とする印象主義の画家の一人として活躍する。不遇な時期が長く、最晩年にようやく評価されはじめたが、念願のフランス帰化を果たせないまま、貧困のうちに没した。 |
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