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「ライバッハ(リュブリャナ)のために」



ライヒレ



ライ麦おばさん



ライング



ラインスベルク



ラウシェンバーグ



ラウルドゥケイザー



ラヴォ



羅漢 一



楽此幽居図



ラグーザ



羅針盤



ラジオ「グラモン」



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ラスケ



裸体像の習作



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ラパン・アジル



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いわのせいしょ

岩の聖書

作家名:荒木高子
制作年:1993年
技 法:陶
土や砂、シャモット(焼いた陶土の粉末)などで本のページや形を作り、そこに聖書の文字をシルクスクリーンで刷ったあと、最後に焼成してできた聖書。印刷物を転写してから焼成する方法を一九七〇年代初頭から試みていた荒木高子が、聖書のシリーズを始めるのは一九七八年のことである。一九七九年の第五回日本陶芸展で〈聖書シリーズ(黄金の聖書、砂の聖書、燃えつきた聖書)〉が最優秀作品賞を受賞し、その後、砂の聖書、石の聖書、岩の聖書、黒い聖書等々、数々の作品が作られている。「書物の中の書物」と呼ばれる聖書。印刷術の発明されていなかった中世のそれは写本であり、同じものを複数は作れない。ただ一冊のものであった。そして、その聖書は教会の中で鎖につながれていて、誰でも読めるというものではない。仮にページを開いたとしても文字を読める人の少なかった時代。それは、読むものでありながら、重々しく聖なるアウラを放ちながらそこに在るものであった。荒木の聖書もまた、読むことはできない。それは、崩れ落ちていく様相を見せながら、そこに在る。そこから喚起されるのは、単に一つの宗教の教えに対する信仰心といったものにとどまらない。荒木自身もクリスチャンではない。高温の火で焼き固められることによって、人類の長年にわたる宗教的な営みも、この作品に対する作者の造形的な人為の痕跡も浄化された聖書は、黙して語らない。そこから呼び起こされるのは、現代の人間でも持ち合わせているはずの、人知の及ばないものに対する原初的な畏れや悲しみといったものではないだろうか。(「本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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シルクスクリーンとは?【 美術用語 】

版画技法。孔版(版膜にあけられた孔をインキが通過して印刷される版形式)の中で最も多用されている。絹や合成繊維のスクリーンを枠に張り、絵柄以外の部分を何らかの方法で目止めし、インキが通らないようにする。スクリーン上にインキをのせ、スキージ(幅広いヘラ状のウレタン板)で圧力を加えながら平行にインキをひいていくと、網目を通してインキが紙に刷り込まれる。インキが厚く刷られ、明確な色彩表現のできる点が特徴である。様々な製版方法(目止めの仕方)があり、また技術的にも改良が進んでいる。大別してカッティング法(切り抜いた目止め用の膜をスクリーンに貼る)、ブロッキング法(描画剤でスクリーンに描いた上から目止め剤を掛け、描画部のみ洗い落とす)の2つがあるが、今日では写真製版(感光性の目止め剤を用いる)も多用されている。大量・高速印刷に適し、画像処理も自在で、曲面や立体への印刷も可能であることから、版画以外にも幅広い分野で活用されている製版・印刷技法である。

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