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Iron Book C ねつのあな

Iron Book C. 熱の穴

作家名:村岡三郎
制作年:1986年
技 法:鉄、スカラベ(中国西域タクラマカン砂漠にて採集)、ボタン、熱、ラバー
戦後美術において、最も早く溶接彫刻に取り組み、その後も鉄を中心に概念的な彫刻を発表してきた村岡は、一九八六年に中国西域のタクラマカンへ旅立つ。これらは、その旅先で集められた塩や硫黄、スカラベなどをもちいて、見開きになった鉄のページの上に制作された 。〈アイアン・ブック〉と名づけられ、AからGまで計七点存在する。今回出品されるのはその内の三点。 〈C.熱の穴〉では、両側に硫黄液を塗ってページを閉じ、熱してそれを定着させる。その後左ページにはミイラになったスカラベ*を、右側には当時着用していたシャツのボタンを入れた後、スカラベを採集した地点の緯度と経度を表す線が両ページに刻み込まれた。村岡は、熱、重力、光や音、あるいは酸素や塩など、根本的な物質や現象に格別の関心を寄せる。これらの作品制作にも必ず熱が関わっている。これらの作品の制作過程で、熱と同様に重要な要素はページの開閉である。それは、時には二つのものを一つにし、また一つのものを二つに分ける。二つのページはそれぞれタクラマカンと日本を意味するのだろうか。タクラマカンでの時間と空間は、ページが閉じられることで日本と一体化する。そして、お互いを熱によって転写し合う。ページが開かれる時には、相手方の記憶は自分に、そして自分の痕跡は相手方に、それぞれ刻みつけられている。本の開閉という機能を生かして、異なる時空間の交流、その記憶と痕跡が提示されている。*ラテン語が語源の「甲虫」を意味する言葉で、コガネムシの仲間の甲虫を指す。動物の糞を後ろ脚でころがして見事な球体を作り、地中に埋めてその上に卵を生む。幼虫はその糞をエサにして成長し、地中から出てくる。古代エジプトでは太陽神ケペラの化身として神聖視され、その姿を宝石や陶土で型どりお守りや装身具とする信仰が生まれた。アフリカや地中海、砂漠地方など生息し、日本にはいない。(「本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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村岡三郎とは?【 作家名 】

1928年大阪府に生まれる。2013年没する。1950年大阪市立美術研究所彫刻部を修了する。1955年二科展で特選を受賞し、60年会員となるが、69年退会する。1960年代初頭まで二科展以外にほとんど作品を発表しないが、60年代半ばになると各種の展覧会に出品をはじめ、65年現代日本彫刻展K氏賞、69年現代日本彫刻展大賞、72年神戸須磨離宮公園現代彫刻展神戸市美術愛好家協会賞など受賞を重ねる。初期から運動や機能といった事物と事物との関係に関心を示し、60年代まで力学的関係に着目した機械のようなおもむきを持った作品を制作する。60年代後半になると重力や落下といった空間的関係そのものに着目した作品を制作し、70年代になると音や光、エネルギーなど通常では彫刻のモチーフになり得ないいっそう抽象的な観念を扱うことによって、それまでの方向を押しすすめる。(「なぜか気になる人間像 徳島県立近代美術館所蔵名品展」図録(埼玉県立近代美術館)1992年 一部修正)

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