ぐるぐるアートワード
データベースを使った楽しいサービスです。文中のキーワードをクリックすると、解説文があらわれ、同時に検索結果が表示されます。ぐるぐるキーワードをたどって遊んでみてください。
ぐるぐるもくじ


「ライバッハ(リュブリャナ)のために」



ライヒレ



ライ麦おばさん



ライング



ラインスベルク



ラウシェンバーグ



ラウルドゥケイザー



ラヴォ



羅漢 一



楽此幽居図



ラグーザ



羅針盤



ラジオ「グラモン」



ラジオ「ミロマ」



ラスケ



裸体像の習作



ラチャ



ラパン・アジル



ラパン・アジル



裸婦


<前 (1/11ページ) 次>

●もくじのさくいん

    

    

記事カテゴリ

 すべて

 作家(1701)

 作品(1851)

 美術用語(163)

 その他(1)


ろうえん じゅうようぶんかざい

老猿〔重要文化財〕


作家名:高村光雲
制作年:1893年
技 法:木(栃)
1893年シカゴ万国博覧会に出品され、妙技二等賞を受賞した光雲の代表作。円刀によるノミ跡を残して岩の荒い質感を表現した技法、栃のちりちりとした木目を生かしつつ鋭い彫りによって毛並の質感を表現した技法、さらに鼻から口にかけて滑らかに表現した本仕上げと呼ばれる技法の三つを使い分け、黒目には石を嵌めるなど技術的にも光雲の持てるものを出し尽くしたといえよう。 光雲自身が栃木県の山中で直接検分し求めた栃の材は、材木の代金3円に対し、運搬経費が200円余りと、かなり苦心のうえ調達している。栃の白い木地を生かした白猿を彫ろうとしたものの、実際には茶褐色であったため、野育ちの老猿を彫ることにしたという。 荒々しく揺れ流れる毛に包まれ、右腕を岩にグッと掛け、左手に鷲の羽根を握りしめる力漲る老猿は、口を固く閉ざしながら鋭い眼光で遠く遠方を睨みつけている。今まで鷲と格闘を続けていた瞬間をとらえたこの作品は、猿を写実的に表現してはいるが、その光景や人間的なポーズは光雲の創意といえる。光雲が単に写実を追求するだけではなく、ドラマチックな作品構成にも新たな芸術性を見出していたことを示している。(「高村光雲とその時代展」図録 2002年)


カテゴリー:作品
キーワード検索




けんさくけっか

本文中のリンクをクリックすると、そのキーワードで検索できます。

徳島県立近代美術館2006