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ろうえん じゅうようぶんかざい

老猿〔重要文化財〕

作家名:高村光雲
制作年:1893年
技 法:木(栃)
1893年シカゴ万国博覧会に出品され、妙技二等賞を受賞した光雲の代表作。円刀によるノミ跡を残して岩の荒い質感を表現した技法、栃のちりちりとした木目を生かしつつ鋭い彫りによって毛並の質感を表現した技法、さらに鼻から口にかけて滑らかに表現した本仕上げと呼ばれる技法の三つを使い分け、黒目には石を嵌めるなど技術的にも光雲の持てるものを出し尽くしたといえよう。 光雲自身が栃木県の山中で直接検分し求めた栃の材は、材木の代金3円に対し、運搬経費が200円余りと、かなり苦心のうえ調達している。栃の白い木地を生かした白猿を彫ろうとしたものの、実際には茶褐色であったため、野育ちの老猿を彫ることにしたという。 荒々しく揺れ流れる毛に包まれ、右腕を岩にグッと掛け、左手に鷲の羽根を握りしめる力漲る老猿は、口を固く閉ざしながら鋭い眼光で遠く遠方を睨みつけている。今まで鷲と格闘を続けていた瞬間をとらえたこの作品は、猿を写実的に表現してはいるが、その光景や人間的なポーズは光雲の創意といえる。光雲が単に写実を追求するだけではなく、ドラマチックな作品構成にも新たな芸術性を見出していたことを示している。(「高村光雲とその時代展」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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高村光雲とは?【 作家名 】

光雲は、明治、大正期を通じて日本の彫刻界の木彫における重鎭である。早くから、仏師高村東雲の弟子となった光雲は明治のはじめに多くの木彫家が牙彫に転じるなかで木彫の伝統を守りつつも、その新しいところを積極的に取り入れることに努めた。写実に徹し、木の性質を知り尽くした見事な技を持ち、山崎朝雲米原雲海平櫛田中など優れた門下生を輩出した。光太郎はその実子である。(「日本近代彫刻の一世紀 写実表現から立体造形へ」図録 1991年)

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