郭子儀(697−781)は、中国・唐代の武将。安史の乱平定に功をあげるなど多くの功績を残し、名将とうたわれた。郭子儀は、その息子と婿たちが皆立身出世を果たしたことから、子孫繁栄・家門隆盛の象徴として絵画や彫刻にしばしば表され、
高村光雲にも同主題の作品が知られている。本像は、二人の童子が郭子儀に戯れる様子を表す通例の図像を示す。
石川光明は牙彫師として出発したが、東京彫工会への参画や、東京美術学校で指導に当たるなど、光雲とともに活動することが多かった。また、光明は牙彫とともに木彫も手がけ、《観音菩薩倚像》などの浮彫に本領を発揮した。(「
高村光雲とその時代展」図録 2002年)