作家名:
靉光
制作年:1917年
技 法:木炭、墨 紙
生母キクの証言から、
靉光が小学校4年生の時の制作といわれる。ヨシダ・ヨシエによると、キクは休みに
靉光が里帰りし、この作品を描いていた状況を鮮明に記憶していたという。克明に父親の表現を写し取り、年老いた父親の人柄さえも感じさせるかのようだ。
靉光の非凡さをうかがわせるが、同時に木炭という画材の選択や背景の手慣れた処理は、小学校の授業以外に美術にふれる機会があったことをうかがわせる。(「
靉光 揺れ動く時代の痕跡」図録 1994年)