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遺伝染色体の雨の中で啓示を待つ



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いながきたるほ いかるす

稲垣足穂『イカルス』

作家名:中村宏
制作年:1973年刊
技 法:銅
稲垣足穂著。稲垣足穂の短編『イカルス』(「作家」一九五四年六月)を中村宏オブジェ化したもの。三つの事件が起こる。一.モーターボートがカモメとなって消えた。二.奇妙なカモメの群がいたが、その胴体には模型飛行機のように小窓が並んでいた。三.撃ち落とされた異様に黒い一羽のカモメは竹組に黒紙が貼られた凧のようだが、動力はゴムではなくハツカネズミのような生き物だった。その一週間後に発見された飛行船のような奇妙な模型飛行機は、捕まえてみると折箱のように畳み込まれた。そのなかにあの奇妙な生き物がいる。それは、自分の手で折箱を利用して飛行機を組み立てる奇妙な生き物イカルス・クイッソスであった。しかし、それを教えてくれた生物学に詳しい紳士は「トワイライト世界」の住人であった。この不思議な物語を、中村は全てが銅でできた書物に仕立てる。総重量二十数キロ、一枚の銅の板は三ミリという非常に重い本だが、ページをめくって読めないことはない。稲垣足穂を象徴するような穴がカバーには空いている。彼は「物体は自覚化される時、呪物へと転位する」(「美術手帖」一九七五年四月号)と述べる。中村にとって呪物とはフェティシズムであり、それは物質に目覚めることである。空飛ぶ折箱の飛翔と墜落の寓話を、中村自身の機械への愛着、物質への偏愛によって戦闘機のように固く装備された姿で現実化した呪物、「機甲本イカルス」。(「本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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ロココとは?【 美術用語 】

18世紀にヨーロッパで流行した装飾様式。バロック様式に続き、新古典主義に先立つ様式で、広く当時の建築、彫刻、絵画、工芸など美術全体にわたる様式。バロックロココとは、直線を嫌い、ゆがんだ、凝った装飾を好む点では共通しているが、バロックの力強さに比べて、ロココはむしろ優美で軽快であり、S字形の曲線、非相称の装飾、シノワズリ(中国趣味)を中心とした異国趣味が目立っている。社会背景としては、バロック時代の壮麗な宮殿に対する、新時代の社交場である優雅なサロンの勃興、有力な宮延の婦人たちの趣味の影響などがあった。例えば、暗く重いビロードに代って明るい色の絹織物や錦が流行したのも婦人たちの好みによるものであった。絵画ではヴァトー、ブーシェフラゴナールなど、彫刻ではファルコネ、ピガル、建築では、フランスにおけるガブリエルの装飾したヴェルサイユ宮の諸室、ボフランの建てたオテル・ド・スービーズなど、ドイツ・オーストリアではキュヴィイエがバイエルンの宮延にこの様式をもたらすなどした。

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