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りべーるりべーる まるちぷる

リベール リベール(マルチプル)

作家名:山口勝弘
制作年:1975-2001年
技 法:鏡、シルクスクリーン フィルム、写真(8点)、テキスト(印画紙焼き付け)
安斎重男写真。鏡の箱。薄い透明のフィルムカバーには、LIBER LIBERの文字。ラテン語で「本」と「自由」の意。鏡は時々刻々変化するまわりの全てのものを映し出す。そこには言葉も挿絵もページすらない。文字から映像へ、操作し整理された情報から、生の情報ソースとしてのデータ・ベースへ。そんなメディアのあり方の変化を山口は一九七五年の時点ですでに先取りしていた。これには、山口がこの箱を持って街を歩いたパフォーマンスを安斎重男が撮影した写真もセットになっている。鏡には様々なものが映り込む。そこに映っている人や情景は、自らが本の登場人物となっていることを知らない。もし。単に映るだけではなく、それが知らぬ間にイメージとして記録され、仮想現実として再生され続けるとしたら。山口は、一九九一年にボルヘスの友人でアルゼンチンの作家アドルフォ・ビオイ=カサーレスの『モレルの発明』をモチーフにした作品を制作した。小説は、三次元の仮想現実として延々と存在し続けている一つの島にたどり着いたある男の話である。そこに存在する誰もが、生身のこの男とは別の現実の中にコピーされている。山口の〈モレルの発明〉では絵巻物のように映像が流れていく。観客はいつかそこに自分の姿が取り込まれていることを知る。映像に定着されて現実は死に絶え、同時にそれは無限に存在し続ける。山口の思考は、メディアとしての本のあり方から脱して、情報や伝達の可能性と不可能性、その行く末に向かっている。出品したのは、二〇〇一年に制作されたマルチプル作品。LIBER LIBERの文字は反対側の面にある。安斎の写真も鏡のサイズに縮小され、一部異なった写真に入れ替わっている。山口の言葉にはフランス語訳が添えられた。(「本と美術−20世紀の挿絵本からアーティスツ・ブックスまで」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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レリーフとは?【 美術用語 】

浮彫り(うきぼり)。平面を彫り込み、あるいは、平面上に形を盛り上げて肉付けした彫刻。彫り出された部分の肉の厚い高肉彫(厚肉彫、高浮彫)と、肉の薄い薄肉彫(浅肉彫、浅浮彫)がある。これらはともに陽刻(モティーフが彫囲より浮き上がらせて表わす技法)であるが、古代エジプトの沈め浮彫りや、肉合彫り(ししあいぼり)、インタリオなど陰刻(モティーフを地の面より彫りくぼめて表現する方法)によって、平面に起伏を与える技法もあり、また彩色される場合も多い。三次元の典型的な彫刻様式である丸彫り(対象を完全に三次元で構成し、全方向から見ることのできる立体表現)に比べて、絵画に接近した二次元的な彫刻といえる。特に薄肉彫においては、薄肉のうちに物体の厚みと奥行の深さを暗示するという独特の技術が必要とされる。浮彫りから派生し、類推して、平面上に凹凸、起伏を与えた造形表現全搬を指してレリーフということもある。また、絵画において物の厚みや奥行きを立体的に表現することをいう。

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