エルンストは、ドイツに生まれ、1919年にケルンで
ダダの運動に参加する。まもなくパリへ移り
シュルレアリスムに参加、第二次世界大戦中は、ナチスに追われアメリカへ亡命、アメリカに
シュルレアリスムを移植するのに大きな働きをし、戦後のアメリカ美術にも影響を与えた。この作品は、アメリカ時代にアリゾナの砂漠を描いたもの。砂漠の荒涼とした風景との出会いは、彼の戦後の作風変化にも一役買ったと言われる。絵の具のついた画面同士をこすりつけたりするデカルコマニーなどを用いて得られる偶然の形を生かした、
シュルレアリスム絵画の一つである。