モデルのサラ・
ベルナールは日本美術の収集家で、
アッベマは少なくとも1876年、18歳の時には
ベルナールを知り、それから長年の友好を続けた。彼女は本展には少ない、女性作家のうちの一人だが、パリで
カロリュス・デュランなどに学び、
印象派風の淡い色調で風景や植物、装飾画を描いた。同じ時期の日本美術愛好者であった
モネと同様、
ベルナールも自宅に日本庭園をこしらえたと思われ、この扇面画もその中に着物を着た
ベルナール自身を配している。竹の欄干のデザインはどこか中国風で、ジャポネズリーより前からヨーロッパを魅了していたシノワズリーとの混乱が見受けられる。(「世紀末から 西洋の中の日本「
ジャポニスム展」図録)