この油彩画は
メンペスが二度にわたる日本旅行(1887年と1896年)のどちらか、もしくはその間の期間に日本で描きためたスケッチを元に、制作された可能性が強い。対象の洞察力と的確な写実表現に優れていた
メンペスは、日本滞在の短期間にかなりの量のスケッチ、
エッチング、油彩を制作した。1887年の日本滞在直後の彼の
ロンドンでの展覧会では、油彩137点、版画40点が展示されている。彼の他の作品同様、本作も小品ではあるが、対象の細部を的確に描き切っている。師の
ホイッスラーと違って、様式的には日本美術の影響は受けずに、西洋の
写実主義を貫いた。(「世紀末から 西洋の中の日本「
ジャポニスム展」図録)