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わかいふじんのしょうぞう 若い婦人の肖像
右を向いた四分の三正面の若い婦人の胸像である。楕円形の円窓の画面が女性らしい優しさを強調する形となっている。モデルは淡いピンクのパステル・トーンの服に身を包み、透明の紗のストライプ模様のサテンのスカーフを胸もとで結んでいる。紫と黄色の花のコサージュが見る者の目をひく。仄かにロココ調の香りを残すものの、この無名の市井の婦人を平明に描いた肖像画は、グルーズの様式に属するもので、18世紀後半の彼の工房の作と考えられている。グルーズは、ブルジョワジーの生活観と価値観のもとに、その風俗を感傷的な人物像に託して描いた画家で、絵の中に道徳的で教育的なメッセージや教訓をとり入れた風俗画を得意とした。このテーマ性は、啓蒙思想家ディドロに好感をもって迎えられ、彼によって「描かれた道徳」と讃美された。発想や様式は、18世紀前半のロココ絵画を平俗化したものであったが、道徳的色彩の薄い少女の肖像画などには、優れて絵画的な要素を見い出すことができる。しかし、大衆の趣向に迎合しようとした作風から、新古典主義へと移ってゆく趣味の変化とともに、その作品は時代遅れとなり、フランス革命後は長らく忘れ去られた存在であった。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)
カテゴリー:作品
リアリズムとは?【 美術用語 】 フランス語読みではレアリスムと言う。ふつう「写実主義」と訳すが、訳語よりも原語の方が幅広いニアンスを含んでいるため、近年はそのまま外来語として使うことが多くなっている。原語には「写す」の意味は含まれず、現実主義とか実在主義といった訳語の方が適切な場合が多いことや、その内容が時代や著述家によって異なり一義的でないからである。描写対象で捉えれば、慣習的に美しいものや高貴なものでなく、醜いものや庶民の生活の平凡な場面を描くことを言う。クールベやカラヴァッジオの作品がここに入る。描写方法の側面から述べれば、抽象化、歪曲化(デフォルマション)、様式化、理想化の方法をとらないものを言う。しかし、例えばダリの絵画は、対象を抽象化せず細部まで抽き込んでいる点でリアリズムと言えるが、自然の外観を著しく歪曲化している点でそうとは言えず、それぞれ相対的であり排他的な意味を持っている。なお、20世紀の抽象表現主義以後、抽象的なものや超再現的なものを含んでこの用語を使う傾向もある。 |
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