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かわべのふうけい 川辺の風景
画面に横たわる川面。遠方には木立の緑と青い空。釣り人が一人、川辺に佇んでいる。あひるの群れが、作品全体の平和で穏やかな印象と調和している。視点は、常に地面に近く低い安定した位置から風景を捉える。まさに彼の描く川の景色の典型である。1857年に小舟を買い、故郷に近い川のそばに移住。晩年にはフランス各地の川の景色をもとめて旅し、よく小舟の中から水面の風景を写し取っていた。本作は、そうした彼の趣向を反映しているといえる。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)
カテゴリー:作品
デフォルマシヨンとは?【 美術用語 】 変形、歪形。造形芸術で、自然の対象を変形して表わすこと。遠近法、短縮法、プロポーション、美術解剖学などの知識に基いて形態、空間、量的表現を正確に再現する写実より、芸術家の造形意志が重視される。これにはより自然に見えるための歪形も含まれる。しかし、近代美術では、芸術家の主観を強調し、観る者に強く訴えるために、形やプロポーションや空間的秩序を意識的に変形して独自の造形的秩序を造り出すことが盛んに行われ、セザンヌをはじめ、ピカソ、ダリ、モディリアーニなど、キュビスム、シュールレアリスム、表現主義などの造形的特色となっている。しかし、それ以前にも、エル・グレコらのマニエリスムの絵画、ドナテロやミケランジェロの彫刻、建築の枠に規制されたロマネスク時代の柱頭、二次元性を強調した東方的造形(古代エジプト美術、東洋絵画)など広く認められる。いずれにせよ、どのような美術作品も事物の厳密な三次元的複製ではありえないから、ほとんどの美術作品はこの「歪形」を行っているといえる。 |
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