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影シリーズ 海辺の黄色の花と影



影シリーズ 海辺の葉と影



影シリーズ ススキと影



影シリーズ 砂と影



影シリーズ 菜の花と影I



影シリーズ 都わすれと影



影シリーズ れんげと影



影シリーズ れんげと影



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影シリーズ 海辺の黄色の花と影



影シリーズ ススキと影



影シリーズ 砂と影



影シリーズ 菜の花と影I



影シリーズ 浜辺の葉と影



影シリーズ 都わすれと影



影の自画像



過去も未来もない中心 I



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かご


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 作家(1701)

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かがみのまえのよそおい

鏡の前の装い

作家名:ジュール・ジェーム・ルージュロン
制作年:1877年
技 法:油彩 キャンバス
化粧室の鏡の前で、一人ポーズをとる若い貴婦人。これから始まる夜会の身支度であろうか、髪飾りのレースを喉もとでゆるく結ぼうとしている場面である。顔をわずかに左にかしげて、鏡の中の自分と対話する心たかぶる瞬間。豪華なルイ王朝風の化粧台、鏡の前の花飾りのある水色の香水瓶、暖色調の華やかな壁やじゅうたんの模様、中国風の大きな花瓶に活けられた花、そして何よりも花模様をあしらった豪奢なピンクと白のドレス。これら画面上の衣装や小道具のすべてが、この若い女性のいくぶん高揚した気分や、うっとりとした表情の引き立て役となっている。化粧室に閉じこもっている女性の周囲には、不思議と濃厚な雰囲気が漂うものである。この部屋は密室で、おそらくベッドルームであるアルコーヴにつながっているのであろう。いわば裸身のくつろぎの場で、バルザックやスタンダールの恋愛小説の主人公が身を焦がしたのもこのような部屋であった。「化粧する女」という主題は、たしかにフォンテーヌブロー派の時代から存在し、いかにもフランス的な色香とエスプリをふりまく素材として愛好されてきた。作者は、この絵のように化粧する女性を斜め後ろから眺め待つ、という特権的な経験をもったことがあったのであろうか。覗き見るようでいながらも、甘美な親密さというものがあふれている愛らしい作品である。ルージュロンは、ワインの産地として有名なブルゴーニュ地方のジュヴレイ・シャンベルタンに生まれ、アカデミスムの画家ピコとカバネルに絵を学んだ。カバネル門下のアンリ・ルニョーとは友人で、主にスペインで活動したと伝えられる。1869年から80年までサロンに出品したが、印象派の外光主義に対抗するということはなかった。普仏戦争で、28歳の若さで死んだルニョーと同じように、ルージュロンも豊かな才能に恵まれながら39歳でその生涯を閉じた。(「近世フランスの絵画と版画−東京富士美術館コレクションによる」図録 2002年)


カテゴリー:作品
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藤島武二とは?【 作家名 】

鹿児島県鹿児島市に生まれる。初めは日本画を志し郷里で修業。上京し明治18年(1885)川端玉章に入門する。しかし明治23年洋画に転じ、同郷の曽山幸彦の指導をうけ翌年には明治美術会の会員になる。その後山本芳翠らに学び、明治29年黒田清輝らの白馬会の結城に参加する。同年東京美術学校洋画科の助教授となる。黒田からは外光派描写の影響を受けるが、生来の浪漫的、装飾的な変質は変わらなかった。明治38年文部省の命で43年まで渡欧しアカデミズムを学び、帰国後は東京美術学校教授となる。その後は官展を中心に我が国洋画画壇の指導的な役割を担った。作風は帰国後の模索の時代を経て、東洋的な人物画を描く。大正8年(1919)帝展審査員、同13年には帝国美術院会員となる。昭和に入って3年(1928)には皇室から委嘱のあった作品の題材を求めて、日本各地は言うに及ばす、台湾、蒙古、満州と取材旅行して数々の風景を描いた。昭和9年には帝室技芸員、同12年には第1回の文化勲章を受章した。

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