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かたおか たまこ 片岡球子
1905年北海道に生まれる。2008年没する。1926年女子美術専門学校日本画科を卒業。1930年第17回再興日本美術院展に初入選し、以後院展に出品を続ける。「ゲテモノ」と形容された初期作品を経て、安田靭彦に師事した1946年頃から歌舞伎や舞楽に題材を取った作品を制作。人物の形態をプリミティヴな手法でデフォルメし、衣装文様をモザイク状の奇抜な色彩で描いた現代的な表現を見せる。1960年代に入ると肉太で大胆な筆線を特徴とする表現主義的な作風を強めるが、66年からは歴史上の人物を大津絵や凧絵などの民衆芸術に見られる表現方法を取り入れて象徴的に表わす〈面構〉シリーズを制作する。このシリーズは浮世絵の表現も生かしながら多様に展開している。1975年日本芸術院恩賜賞を受賞。1981年日本美術院理事に就任し、翌年には日本芸術院会員に推挙される。1989年文化勲章を受賞。
カテゴリー:作家
アクアチントとは?【 美術用語 】 版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは後者の内の一つ。まず銅板に粉末状のグラウンド(防蝕剤)を粗くまき熱して付着させ、その上に液状のグラウンドで描画する。これを酸腐蝕させると、描画部は残り、その背景には網目状の防蝕層を通過した酸によって徴細な点が刻まれる。グラウンドを除去し凹部にインキをつめプレス機で紙に刷り上げると、描画部は白く、背景には砂目状の徴妙な黒点が表われる。普通白く残したい部分から順に描画を重ね腐蝕を繰り返すので、描かれなかった部分はその度に腐蝕が進み、それを印刷すれば、砂目状の黒い調子が段階的に深まっていくことになる。アクアチントの語源は「水」であり、水彩画のように微妙な濃淡を表現できるという特徴を示している。17世紀前半にオランダで発明されたとされており、18世紀にフランス人ル・プランスによって確立された。同じ腐蝕凹版であるエッチングと併用されることも多い。 |
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