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べるりおーずのいえ ベルリオーズの家
ユトリロは、この家を違った角度から何度か描いている。しかし、モン=スニ通りから見た、見捨てられてすっかり荒廃したような大邸宅のこちら側は、一度も画面に現れたことがなかった。この絵はモン=スニ通りとサン=ヴァンサン通りに沿った壁を背にして、庭の中から描かれたものである。 「1912年以前には、どこにも作品を発表したことがないモーリス・ユトリロの成功は、識者の中の美術愛好家グループが夢中になったことでいまや確実なものになっている。その識者の名前を挙げれば、ブロー、デュシェ、ガリマール、O.ミルボー、ブルック、ルイ・ヴォークセル、エリー・フォール、パックマン……ということになろうか。画家たちもユトリロの絵を買っている。所蔵して楽しんでいた愛好家のところで、ユトリロの絵を初めて見いだしたフランシス・ジュールダン氏に、我々は感謝しなくてはならない。大衆にはまだ名を知られていないモーリス・ユトリロも、美術愛好家による評価はすでに確かなものになっている」(K.S.)
カテゴリー:作品
アンフォルメルとは?【 美術用語 】 もとは「非定形なもの」という意味。美術の世界では、アンフォルメル絵画、アンフォルメル芸術というように用いられ、定着している。第二次世界大戦後、約10年間、世の中では抽象絵画の運動がさかんになった。この抽象への指向が、アメリカでは抽象表現主義とよばれ、フランスを中心とするヨーロッパにおいてはアンフォルメルとよばれたのである。アンフォルメルという言葉は、フランスの批評家ミシェル・タピエによって1950年に名付けられ、1952年には「アンフォルメルの意味するもの」と題する展覧会がもたれた。この運動の中心となった作家は、ヴォルス、デュビュッフェ、マチュー、リオベル、ミショーらで、彼らはこれまでの美学を棄て「もう一つの芸術」を創ろうとした。つまりこれまでの抽象が与えてきた構成的、幾何学的なイメージを脱却し、理性では把えられない意識下の心の状態から生み出されるものを表現しようとした。それらは抒情的で非幾何学的であるがゆえに、アンフォルメルとよばれた。日本にも後日紹介されて、前衛芸術に多大な影響を与えた。 |
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