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赤い少女



赤い服のセザンヌ婦人



赤い枕で眠る女



赤い闇6



赤城泰舒



アカシア



赤土山



アカデミー



赤紫の花瓶



〈赤を見ることができない〉



亞艦来浦図











秋岡美帆



秋草小禽図



秋草花図



秋野不矩



秋の木葉



秋山祐徳太子



諦め


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もんすにとおり

モン=スニ通り

作家名:モーリス・ユトリロ
制作年:1916年頃
技 法:油彩 紙
ユトリロの作品の中で重要なこの絵は、ヴィルジュイフの精神病院に入院しているときに描かれたものである。この風景には、渦巻く雲が見られる。奥行きは壁に沿ってゆっくり延びる消失線によって強調されている。街灯が寂しげにひっそりと佇んでいるのは、白の時代の特徴である。ラサレフやA.ワルノー、M.ブルースタン=ブランシェが半ズボンで板に乗って、コーランクール通りまで滑り降りたのはこの通りの坂であった。ユトリロの伝説となるような出来事のほとんどは、この通りで繰り広げられた。さらに彼はさまざまな時期にここの光景を描いている。それは、ミミ・パンソンの家から見たり、右手にあるベルリオーズの家やサン=ヴァンサン通りに面している左手の建物に焦点を当てたりしたものである。少し下がった、左の角はポール・フェヴァル通り1番地で、「カス=クルート」という看板の下がった酒場があった。ユトリロは、以前警察官だったゲー親爺が経営するその店の常連であった。セザール・ゲーが所有していた建物に、「カス=クルート」に続いて、そこの部屋を借りたマリー・ヴィジエが「ラ・ベル・ガブリエル」という名のレストランを開いた。ユトリロは昼も夜もそこに入りびたった。彼女に大変気をつかったユトリロは、出入り口の上の3色の飾りと同じように、正面の板壁を絵で飾った。さらに彼女をびっくりさせようと、トイレの広い壁に風景と花を描いたが、残念なことにせっかく絵を描いた壁をもとに戻さなければならなかった。トイレの暗さを減じて豊かな気持ちになれる場所にできたはずだと思うと、彼は残念でならなかった。マリー・ヴィジエはユトリロにとって「どんなときにも頼れる母」であり、理解のある女性、友人、何でも打ち明けられる存在であった。ユトリロの白の時代である時期は、ほとんど彼女とともにあった。その時からマリーは店を「ラ・ベル・ガブリエル」と名づけることになったのである。ときにはマリー・ヴィジエが、モンマルトルの丘の上で何度も繰り返されるユトリロの逮捕という大きな事件に立ち会って、戸口の横で肩を落としているのが見かけられた。ユトリロはそのあと、ランベール通りの警察署に連行されるのであった。そこの壁の落書きの中に、ユトリロの手で記されたこんな言葉を読みとることができる。「僕の人生の最良の思い出が目の前にある。モーリス・ユトリロ、1912年10月」(K.S.)


カテゴリー:作品
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印象派とは?【 美術用語 】

19世紀後半のフランスに起きた最も重要な絵画運動で、その影響は欧米をはじめ日本にまで及ぶ。1874年春にモネピサロシスレードガルノワールセザンヌ等を中心とする画家が官展のサロンに対抗して団体展を開いた際、新聞記者ルロワがモネの「印象−日の出」をもじって彼らを印象派と呼んだ。印象派という名称はこのことに由来し印象主義という用語もそこから派生した。印象主義写実主義を受継いで特に外光派の戸外制作を重んじ、かつマネに啓発されて明るい色彩を用いて外界の事物を光をあび、空気で包まれた印象として表現した。光の変化に応ずる色調の変化や空気のゆれ動きを効果的に描くために、固有色を否定し、筆触を小さく分割し、色調を原色に還元したことが技法上の特徴とされる。印象主義は必ずしも体系化された理論をともなわず、組織的にはゆるやかな結びつきにとどまったため、1880年代以降各画家の個性の進展と円熟にしたがい、またスーラやゴーガンなど新世代の登場ともあいまって多様化の様相を深めた。

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