マキ(ス
ラム街)は不動産開発業者の脅威にさらされて、現在では何本かの木が植わった小公園が残っているだけである。
モーリス・ユトリロは絵画やデッサンに何度も描いて、これを不滅なものとしている。この羽のついた風車小屋は
コローの作品には描かれていず、
ユトリロならではのものであり、モンマルトルの心を象徴する叙情詩人としての役割を果たす。 彼は大きければそれだけ注意を要する特殊の正面の開口部と影の部分に配した広場とが作る幾何学的なフォルムの配置に、彼は気を配らなければならなかった……。 彼は薄く溶いた絵具で幾つもの薄い層を重ね、色調に深みを与える。それによって細部の仕上げがしなやかになり、表面に描かれたモチーフは作品に統一感をもたらす重要な要因となる。(T.N.)