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■本一洋



松本英一郎



松本竣介



マティエール



マティス



窓辺の少女



マニエリスム



マニャスコ



マネ



『マネキン人形たち』 表紙



『マネキン人形たち』 15点組



真野紀太郎



まのん



間部時雄



マヤキリ



マリア・ピーテルス・オリカンの肖像(アンドリース・ファン・デル・ホルン夫人)



マリエ



マリソル



マリナ



鞠に遊ぶ狆


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ゆきのむーらんどらぎゃれっと

雪のムーラン・ド・ラ・ギャレット


作家名:モーリス・ユトリロ
制作年:1938年頃
技 法:グワッシュ
雪に覆われたモンマルトルとムーラン・ド・ラ・ギャレットは凍えている。ユトリロが崇拝する美しき“ジャンヌ(・ダルク)”の神秘的な魂のように純白な雪。この作品ではすべてのものが、自分を引きずり込む脅迫観念から、三つの神徳によって抜け出すために集められている。 過ぎ去りし日々を思い出させるように、そのすらりとした翼をはためかせる音をユトリロが朝夕耳にしたムーラン・ド・ラ・ギャレットの大きな風車を中心にしたモンマルトル。母と純なるジャンヌ・ダルクのような女性たちの無垢を象徴する雪。ここでは命あるものは喧騒の場に退いており、赤と褐色と白のシンフォニーから聖性を奪いとらないように身を潜めている。 雪は今は、静かにメランコリックに落ちてはおらず、風景を覆って横たわっている。悲しき人々のいない雪景色。 ただユトリロの心だけが、初めて人生の苦しみを知ったこの場所に再び身を置くべく、色の調子についてじっと考えをこらしている。 ユトリロは、人が自分より以前には見なかったものを見るすべを心得ていた。彼は自らの思想から、瞑想にふさわしい場をつくり出した。「人は知識を得れば得るほど知恵を失い、便利になればなるほど見る力を失う」(K.S.)


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けんさくけっか

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徳島県立近代美術館2006