<流砂>と同じ年に描かれた油彩画。
ピカソの晩年に特有の自由奔放な筆使いが見られる。
モデルは定かではない。しかし、この作品が描かれたのは1964年の5月10日から15日であり、これに先立つ同じ5月の2日から 10日にかけて、
ピカソはジャクリーヌを
モデルにした油彩画を何点か連続して描いていることから、この作品もおそらくジャクリーヌが
モデルではないかと推測される。(※)この時期、版画や
素描に限らず、
ピカソは画家と
モデルのテーマで多くの作品を残しており、この1964年にも集中的にこのテーマで描いている。この作品は女性の単体の裸婦像ではあるが、画家と
モデルの系譜につながる作品であると考えられる。※The Picasso puroject,ed. Picasso’s Paintings, Watercolors, Drawings and Sculpture. A Comprehensive Illustrated Catalogue 1885-1973. San Francisci:Alan Wofsy Fine Arts, 2002. pp.40-44