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にほんのりょうし 日本の漁師
右下の「蘭夢」、及び摺師西村熊吉(1861−1941)の落款はラムが1912年頃日本で制作した作品の多くに見られる。西村は明治の浮世絵の大家、小林清親(1847−1915)等の摺りを手がけた優れた摺師で、彼との共同作業によるラムの作品は、彼女の作品の中でも完成度が高い。背景のゆるやかに弧を描く橋は、広重の『名所江戸百景』中の《京橋》からの直接の引用か、ビングの『芸術の日本』誌(1888年6月号)の挿絵からの引用であるかもしれない。灰色等の落ち着いた色調と繊細な輪郭線は後のラム作品の基本的構成要素となる。(「世紀末から 西洋の中の日本「ジャポニスム展」図録)
カテゴリー:作品
メゾチントとは?【 美術用語 】 版画技法。銅版画は、凹版を製版する技法によって直刻法と酸腐蝕法に大別できるが、これは前者の内の一つ。まず版面にニードル等の針状または刀状のもので、縦・横・対角線の各方向に線あるいは点刻線を平行して密接に刻む。ここで版面は、一面ドライポイントのまくれを併う線で覆われる。それを、先のとがったこて状のスクレーパーで削り取りへら状のバニッシャーでつぶし、磨くことによって図像を表わしていく。凹部にインキをつめ、プレス機で紙に刷り上げると、最も磨かれた部分は白く、まくれを完全に残した部分は黒く、その間に磨き加減によって無限の明暗の階調が表われる。これがこの技法の特徴であり、メゾは「半ば」、チントは「色調」の意である。17世紀中頃、オランダのジーゲンによって発明され、イギリスやフランスで豊かな階調を表現できることから主に絵画の複製技法として流行した。20世紀に入ると、ブランや長谷川潔などが創造的なメゾチント版画の制作を行なった。 |
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