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なつ てすりのうえのねこ 夏:手摺りの上の猫
スタンランの猫好きは有名で、彼の住んでいたコーランクール街58番地は「猫屋敷」とあだ名されたほどだった。彼が深く関わっていたキャバレー「シャ・ノワール(黒猫)」関連のポスターや冊子に猫を多く描いただけではなく、主題として関連のない作品にも猫を多く登場させている。この縞柄の猫は特に頻繁に描かれており、他に飼われていた黒猫と三毛猫に比べても、スタンランがとりわけ強い愛情を示していたことがわかる。1909年にこの猫は夏と冬の2つの季節を表す石版画作品に登場しているが、それは日本の四季絵にも見られるように、身近な日常生活の中で四季の移り変わりをさりげなく表現したものである。手摺りと背景の木の葉で画面の奥行きを狭め、全体的に平面的な効果を出している点にも、日本美術への関心が窺える。(「世紀末から 西洋の中の日本「ジャポニスム展」図録)
カテゴリー:作品
クレーとは?【 作家名 】 1879年スイスに生まれる。1940年没する。ドイツ、ミュンヘンの美術アカデミーに学び、当時の前衛的なグループ「青騎士」に参加、カンディンスキー等と交流する。初期は神経質でありながらダイナミックな線描で知られ、後に豊かな色彩を用いた作風へと変遷した。キュビスムやシュルレアリスム、抽象などの様々な要素を消化し、線と色彩の効果が十分に発揮された高い精神性を持つ独自の画風を確立。ドイツの近代デザインの学校であるバウハウスで教鞭を執り、理論家として多くの作家に影響を与えるなど、今世紀の巨匠の一人に数えられる。スイスのベルンにクレー財団が設立されている。 |
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